with dogs
親世代から受け継いだ住まいは、都心の駅から徒歩5分という立地の良さながら、
不要なスペースや手狭で現代の家電が収まらないキッチン等、
間取りに問題を抱えていて、いつもどこか不便さや窮屈さを感じていた。
専有面積がおよそ100㎡の住まいはメゾネットとなっており、
下層がLDKと以前事務所として使用していた土間スペース、上層に寝室やUB・洗面がある。
L字のキッチンには冷蔵庫が収まらず、LD真ん中に鎮座しており、
リビング横、5畳弱の一室はほとんど物置と化していた。
今回のリフォームは、下層全面の約50㎡を対象としたものになる。
ご家族みんな間取りの不便さを不満に感じていたが、
わんちゃんを迎え入れたことで、リフォームへと意識が向かう。
2匹の犬とご家族がくつろげるLDKをコンセプトとし、各所に犬と暮らす生活の工夫を設けた。
土間収納は玄関からの視線を遮り、靴やワードローブはもちろん、犬のバギーやキャンプ用品もしっかり収まる。
インテリアパネルを施した柱スペースにはベンチも造作。犬のケアグッズ、お散歩グッズを収納している。
実は、土間のモルタルには2匹の足跡を・・・。
LDKは全体で19.6畳確保。うち3畳弱をセカンドリビングとして、犬たちが走り回っても安全な余白空間とした。
メインのLDKは、奥様こだわりのⅡ型キッチンを中心に回遊できる間取りに。
壁面側にコンロ、冷蔵庫、大容量のカップボードを平面的に並べた。
それにより、リビング側には無駄な収納や家具・家電を置く必要がなくなった。
キッチン・シンク側は、ずっと使い続けているダイニングセットの大きさに合わせて計画。
照明もこだわり、奥様やお嬢様2人並んでお料理を楽しんでいる。
ご来客の際も、明るく広々と感じるダイニングキッチンが大活躍とのこと。
最大限確保したリビングは犬の足腰に優しい床材を採用。
雨でお散歩ができない日には、ボール遊びや小さなドッグランのように使用している。
セカンドリビングの収納は、掃除機や雑書類等リビングの収納としてしっかり収納量を確保。
この一部はワークスペースとなっている。
扉付きのワークスペースは、不在時に犬にいたずらされる心配がなく、安全面にも良い結果となった。
この階にはトイレもあり、手洗いスペースも新設した。
トイレはご主人様が、手洗いスペースにはお嬢様が意匠を凝らした。
トイレは海辺をモチーフに青いクロスやマリンランプ、アクセントに2匹のわんちゃんがモデルのオリジナルクロスを。
手洗いスペースは、サンド調の色を意識した配色で、FLOSの照明、横の木ルーバー等、細部までこだわった空間に。
笑顔が素敵で仲の良いご夫婦とお嬢様、ふわふわで元気いっぱいの2匹のわんちゃん、
家族みんなでゆったりのんびり過ごす理想的なリビングが細部まで丁寧に打合せすることで実現した。
構造:RC造
面積:53.09㎡
撮影:©Shuya Sato